こんにちは
京大の法科大学院入試の変更点が京大のHPにアップされていました。
従来の主要科目のみでの判断は、法科大学院教育の意義からすると、
京大の伝統的なアカデミックさを反映していて、
その通りだと思っていたのですが、
今回の変更は現実に対応した措置なのかなぁと思います。
学部生に勉強させるという意味であれば、
既修者認定に変更を加える必要は無いわけですから。
内部筋からの話では、ここで書けない話もありますが、
再来年からは厳しくしたい意向のようです。
(ということは信頼の原則により、変更できなかった来年度入試の判定も厳しい目になる可能性があります。)
1.科目変更について
来年の試験科目は、今までと変更ありませんが再来年の試験科目は7科目になります。
従来の憲法・民法・刑法・商法の4科目から、新たに民訴法、刑訴法、行政法が加わります。
なお、この変更により法律科目の点数が表示される予定ですが、
適性試験や学部成績等との配点比率は従来通り公表されません。
従来科目はいずれも100点で、追加科目群がいずれも50点となります。
よって、追加科目群の出題形式が従来のものと同様の論述式なのかどうか、
あるいは時間配分は等、現段階では不明です。
2.「法学既修者の認定」の変更について
再来年からは法学部を卒業していなくとも既修コースを受験することができます。
HP(下記参照)には、
「また、志願者が法学既修者に該当するかどうかの判定も、
下記法律科目試験の成績のみをもって行うこととします」と記載されています。
従来の「法学既修者として認められるためには、出願の時点で既に、学部において、
法律基本科目に対応する科目の相当部分を履修していることが必要である。」(※)
という部分と比較対照すれば、法学部出身者以外でも既修コースへの出願が可能となる余地があるということです。
(※)現在は原則として法学部出身者ではなければ既修コースへの出願はできません。
他学部卒で現行択一に合格をしていたとしても、
それをもって「法学既修者」とは認定されず、
既修コースへの出願は認められません(第1次選抜を通過できない)。
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京都大学
http://lawschool.law.kyoto-u.ac.jp/
平成20年度入学者選抜における法学既修者枠の選抜方法の変更について
http://lawschool.law.kyoto-u.ac.jp/entrance/kishuhenkou.html
平成20年度入学者選抜(平成19年秋に実施予定)において、法学既修者枠の
法律科目試験は、次のような科目と配点で行うこととします。
また、志願者が法学既修者に該当するかどうかの判定も、下記法律科目試験の
成績のみをもって行うこととします。
憲法 100点
民法 100点
刑法 100点
商法(商法(平成17年法律第87号によって改正された「商法」をいう。)、会社法
(平成17年法律第86号)、手形法、小切手法その他の商法分野に関する法令に基づいて
出題するが、商法第2編商行為および第3編海商にかかる部分を除く。) 100点
民事訴訟法(通常訴訟の第一審手続に限る。) 50点
刑事訴訟法 50点
行政法(行政法総論(行政救済法を含まない。)に限る。) 50点
なお、平成19年度入学者選抜(平成18年秋に実施予定)は、これまでと同様の科目と方法で行います。
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従来の既修者の概念
<既修者コース志願者のうちの該当する者>
(G)[任意]大学において法学を学修していない者が既修コースに志願する場合
→大学において法学を学修した者以外で法学既修者枠に出願する者は、
社会人として相当程度の法律事務従事の経験があるなど、
法学の基礎的な学識を有すると認められる事由を自己評価書において具体的に記述する とともに、その根拠となる資料を提出することが望ましい。
→現行司法試験短答式試験の合格経験、同試験の論文式試験の成績、
または、JLF法学既修者試験の結果等は、
それだけでは、法学の基礎的な学識を有すると認めるべき事由とはならない。
また、総合判定に際して、それだけで積極的な評価を根拠づけることはできない。
→司法書士等、法律関連業務の資格に基づいて当該業務に具体的に従事した経験を有し ていることは、総合判定に際して、積極的に評価されるが、
単に資格を有しているというだけでは、
法学の基礎的な学識を有すると認めるべき事由とはならない。
また総合判定に際してそれだけで積極的な評価を根拠づけることはできない。